ごあいさつ
その方は、お嬢さん二人とご相談に見えました。
一足先に来られたお嬢さんは父所有の不動産について相談があるとのことでした。父はキチンと相談内容が伝えられず、関係ない話をするかも知れないのでその時は迷惑をかけられないので相談自体を断って欲しいとのことでした。遅れて来られたその方は、頭を垂れ本当に元気が無さそうでした。暫く身の上話をされていました。たまたま時間があったので、30分ほど腰や首筋が痛いお話を伺っていましたが、ようやく戦後苦労して自宅を手に入れたお話しを始められました。苦労して手に入れられた自宅はどのように引き継いで行くか心配ですねと水を向けると、そうなんだ自分には男の子がいない。だから自分が死んだら自宅は国のものになってしまう、娘達に嗣がせることができない。とまた元気を無くされてしまいました。自分は法律家で不動産の相続には詳しいので説明すると前置きして、相続について説明し、○○さん、彼女はいましたかとお嬢さん方以外に相続人がいないことを確認して大丈夫だと太鼓判を押しました。するとチョット照れながら色々と元気にお話しをしてくださいました。そして背筋を伸ばしてお帰りになりました。こんな元気な父を見たのは久しぶりだと二人のお嬢さんも涙ぐんで喜んでくれました。
私が司法書士として一番嬉しかったご相談でした。